SMASH14@新宿FACE 観戦記

 お待ちかねのSMASH14に行ってきた。試合開始前に、リングアナのSUNAHOが満員札止めだと発表していたけれど、札止めでも全然おかしくない客の入り。普段は置いてないところにも、パイプ椅子が置いてあった。
 ま、いつものごとく、関係者って人も多そうだったけどね。


■第一試合 児玉ユースケ vs アズール・ドラゴン

 児玉は今回の大会から、いかにも新人面した黒パンツから、緑を基調としたショートスパッツへとコスチュームを変えてきた。それから入場曲もロック調のものに変わった。いままでは確かPE'Zの曲だったはず。入場曲は前のほうが良かった気がするなぁ。ロックで入場する人がほとんどの中、個性の一つとしてアリだったのに。

 アズール・ドラゴンは、九州のローカルレスラーとの情報くらいしか無く、期待感はそんなになかったのだけれど、いい選手だった。パンチの打ち方とか、非常に好み。もうちょっと上半身がパンプアップされていれば説得力があったかもしれない。なんとかヨガの達人らしいんだけど、それらしき動きは特に無かった。

 10分くらいで児玉の勝ち。フィニッシュはジャーマン。これからも使っていくのだろうか? 体格的には合っていないのではなかろうか。いまどきのジャーマンは、技工よりもパワーの技だからなぁ。
 小路に勝ったときの技、クルスフィックスがフィニッシャーじゃだめだろうか。 体格を気にせず、どんなレスラーからも勝てると思うんだけども。
 あと、そろそろ児玉にもライバルが欲しいところ。


■第二試合 華名&紫雷美央紫雷イオトリプルテイルズ) vs TAJIRI矢郷良明&大家健

 本日もっとも期待していた試合。贔屓目かもしれないが、客席の雰囲気も、そんな感じだった。
 SMASH12&13のトリプルテイルズ乱入って、現場ではバタバタしている感じがして、そんなによくできた乱入ではなかった印象だったのだけれど、煽り映像で何度も見ていると、それなりに成功していたんだな、と思った。昔より断然、華名のマイクが良くなっているし、紫雷イオの真琴に対する低空ドロップキックとか、なかなかいい仕事をしている。

 トリプルテイルズ椎名林檎「歌舞伎町の女王」で入場。アバズレ感を出す演出だろうか、と今思った。普段は違う曲だよね?
 3人とも、それなりに紙テープが飛ぶ。華名の初登場時と比べると、確実に受け入れられてきている。じわじわとだけれど、華名の努力は認められつつある。

 矢郷さんの入場時は大歓声。俺も大歓声。大家もそこそこの歓声。やっぱこの二人はDDT関係の団体より、SMASHが合う。
 ヤジというか、歓声というか、多分一番近い言葉は「ツッコミ」だと思うんだけど、そんなような客席からの声が、この二人には多い。でも、それってゼロ年代の見方って気がするな。なんつーか、もういいでしょ、その見方は。
 プロレスに対してツッコミを入れながら見たいんだったら、家で友達とテレビでも見ながらやればいいのではなかろーか。現場では不要。ウケてもいないし。

 試合展開は、矢郷さんが華名に対して何もさせないくらい圧倒的な力を見せつけて、華名は全然歯が立たなかった。打撃が効かないときの華名は、すんごくもろい。今までの口撃はなんだったの? というくらいもろい。
 男子と戦う機会が比較的多い選手なはずなので、もう少し何か別のベクトルの武器があるといいんだけど。いつも準備不足の印象がある。
 紫雷姉妹は、主に大家やTAJIRIとのマッチアップ。そこそこ試合になっていた。もう少し間が欲しいところだけどね。全体的に、バタバタした感じ。

 華名が大家に急所蹴りを食らわせ(結構エグかった)、丸め込んでの勝利。良い勝ち方。華名vs大家はまだまだ続きそう。続くことは大歓迎。女子と戦って、まともに勝負論を持ち込めるのは大家しかいない。
 矢郷さんは、大森やスターバックと対戦とか、SMASHの本流に入っていってほしいな。身長があってかっこいいし。

 そういや、矢郷さんが華名に何もさせなかったとき、「もしかしたら、トリプルテイルズと矢郷さんがチーム組むフラグか!」とか頭をよぎったんだけど、全然そうはならず。あと、もろくなって弱々しい表情を見せる華名は、わりとアリ。それはそれで、この先フィーチャーしてもおもしろい気がした。


■第三試合 大原はじめ&クリスチャン・クルキィー vs KUSHIDA&木藤裕二

 上昇気流に乗っている大原はじめと、相対的に下降しているように見えるKUSHIDAの戦いが注目の一戦。あと、FCF期待の若手である初登場のクルキーに、トライアウトで合格した木藤。話題性はあまりないけれど、いろいろな種がつまった試合。

 クルキィーは身長が高くて、ハンサムだった。ただ、特筆するようなムーブはないので、浸透するのには時間がかかるかもしれない。なんとなく、ジェシカのような愛されキャラになるのではないかと思った。

 トライアウトでは地味な印象しかなかった木藤だが、今回はなかなか動きが良かった。しかしながら、なぜトライアウトに合格したのかは、よくわからないまま。地味なところが個性、ってわかりにくすぎるよ。
 クッシーの印象も特にない。
 大原のエルボースマッシュは、だんだんと銭の取れる技になってきた。


■休憩
 めずらしく第3試合終了後に休憩。妻が売店で紫雷姉妹のTシャツを購入。ショップの店員みたいだった、とのこと。髪をたばねた紫雷美央は、スポーツ後の女性特有の色気が出ていた。


■第四試合 朱里 vs リン・バイロン
 リンがSMASHを去ってしまうような、そんな匂いがここ1ヶ月くらいしている。そんな中で行われる一騎打ち。

 リンの明るい入場がなくなって寂しい面もあるが、黒髪にして相手を睨みつけるリンは大層魅力的である。朱里も髪を切っており、こちらは可愛くなってしまった。おかっぱ頭で蹴りを主体にする女子レスラーっていうのは、何気にオリジナリティあるなぁ。狙ったわけではないだろうけど。

 試合は、リンがハードコアな攻撃で見せ場を作っていくものの(こういう攻撃、大原との戦いで出せていたらな……)、朱里の順当勝ち。

 このままリンがフェードアウトかと思いきや、コバックに連れ去られたとの噂。これは良い展開! アダルトな展開を望む。


■第五試合 スターバック vs 大森隆男

 スターバックの人差し指ポーズがかっこいい。なんだかお調子者の田舎のおっさん風味でもあり、スターバックがノリノリだと、こっちも楽しくなってくる。
 大森さんのここに到るまでの流れをまとめた煽りVが秀逸だったこともあり、客席は大森さん応援ムード一色なるかと思いきや、そうならないのがスターバックの人気の高さを証明していた。

 試合は、スターバックの安定感が目立ったかな。途中、大森さんのアックスボンバーが中途半端に決まってしまい、もったいなかった。あそこで「決まるかもっ!」って雰囲気になっていれば、また違った印象だっただろう。


■第六試合 TAJIRIAKIRA vs マイケル・コバック&サイボニック・マシーン

 あっという間にメインの戦いへ。この日はさくっと流れてしまうようなマッチメイクが一切無く、充実した興業だった。

 入場時の期待は、初登場のサイボニック・マシーン。でてきてすぐにわかったことだけど、みんなが思っていたより身長が低い。コバックの絵だと、キン肉マンの魔雲天みたいな感じだったのになー。

 コバックもサイボニック・マシーンも、大してあくどいことはせず、なんとなく勝利。もっともっとヒール風味があっていいと思う。
 SMASH本体がベビー、コバック軍団がヒール、凄玉的な立ち位置でFCF。この3軍が上手いこと回っていくと楽しくなりそう。


■次回SMASH15@後楽園ホール

 試合後にサブゥースタイルの朱里が乱入。次回の後楽園ホール大会に、サブゥーの参戦が決定したことが発表された。
 あと、トミー・ドリーマーvsスターバックや、華名vsFUNAKIなどが発表。ドリーマーとスターバックは興味深い一戦だけれど、スターバックは早くコバックから自分とこの団体のベルトを取り返さなきゃなんないよね。TAJIRIも同じくコバックにリベンジしなきゃいけないし。


 そこに至る流れをどんな風に作っていくのか、落ち込み続けるリン・バイロンがどうなっていくのか、モノが違う朱里はこれから何を目指していくのか、KUSHIDAが新日本プロレスに移籍してしまう(あ、書くの忘れてた)前に、大原はどんなアクションを起こすのか、そしてKUSHIDAは何を残していくのか。
 まだまだいろんな未来が待っている。