週刊プロレス

 今週の週プロは、前田日明特集が中ページ。インタビューの中で、「セメントマッチ」やら、「シュートマッチ」やら書いてあったけど、週プロがそんな言葉を使って良いのだろうか? 現在の週プロは、「プロレス」の定義をどこに置いているの? 日本のプロレスは、WWE的なカミングアウトしてないんだから、セメントなんて言葉を使ってはいけないはず。
「セメント」「シュート」を取り上げるまでもなく、最近のレポートを読んでいると、なし崩しで、週プロがポジション(立ち位置)を変えている。競技としての、ある種単純な勝ち負けを主題に置いたレポートは皆無で、その後ろにある権力闘争というか、世代闘争というか、力関係というか、リングで見えていること以外を念頭に置いたレポートばかりである。「あえて書かないけど、プロレスの暗黙の了解を読者もみんな知ってますよね?」という姿勢がありあり。
 クラスマガジンが週プロしかない状況で、それはどうなんだろう。僕はNOだと思う。
 DDTはとても好きな団体だけど、みんながそうなってはいけない。今さらプロレスをメタ視点で語ったり、書いたりしても全然新しくない。WWEは裁判所ではカミングアウトしたかもしれないが、RAWやSMACKの中で、メタ視点なんて一つもない。どのレスラーも真摯に勝ち負けの勝負をしている。それができなかったら、プロレスは生き残っていけない。



元・新日本プロレス


元・新日本プロレス 金沢 克彦 (著)
■やはり一時代を築いた人の取材力は、目を見張るものがある。