旅の終わりに僕らはまた再生する

 バリ島最終日。さみしさみしさみし。こんな素敵に不敵に無敵に怠惰な日々は、しばらくこないんだろうな、という大学の卒業式の日にも似たような感情が、昨日あたりからしばしば襲ってくる。大学の卒業式は寝坊して行けなかったけどね。
 せっかくバリまで来たことだし、最終日は観光しよう! ウブドでも行って寺院を見よう! なんてことは全然思わず、昨日までとおなじルーティンで過ごす。
 月曜から滞在して、今日には帰ってしまう人が多いのか、プール、ビーチ共にやや空いていた。
 デンジャーを示すドクロの旗がはためく中、海で波と戯れる。これまで毎日海に入っているが、別にキレイな海ではない。日本に戻ってきてからいろいろと調べたら、「バリ島の海は一部を除いて、サーフィン用の濁った水です」と書かれていた。わぉ。
 でも、そこまで濁ってはない気がする。泥が多いから、海パンの中とか、耳の中とかが砂まみれになるけどね。
 ずっと読んでいた菊地成孔大谷能生の本が読み終わったので、森博嗣先生を読むことにした。示唆がたくさんあるから、1ページ読むごとに、遠くを見つめることになる。
 傍らには、もちろんカクテル。最終日特別贅沢、ということで、アイスクリームもつけた。

 昼飯を食いに、ちょっとだけ外へ出て、チェックアウトの16時までビーチで過ごす。

(昼はもちろんビンタンビール!)
 帰りの飛行機は23時発。ホテルへのお迎えが21時30分だったので、チェックアウト後は否応なしに街へ繰り出した。

 この日まで、思ったよりお金を使わなくて、かなりルピアが余っていた。ルピアから円に戻すレートはかなり低いので、できれば全部使ってしまいたかったのだが、バリ島は飲食とタクシー以外には、ほとんど使い道が無い。服とか小物とかおみやげとか、全然ダメ。
 例えるなら、伊勢志摩とか、長崎とか、修学旅行地の土産物屋通り、みたいな感じ。どこも同じ商品が置いてあって、微妙に値段が高かったり安かったりするから、だんだん買い物が面倒になってくる。
 なんとなく時間を潰して、夕飯は生演奏があるお店へ。ギターのデュオが出てきて、何を聴かせてくれるのかと思ったら、イマジンとか、ノッキンオンヘヴンズドアとか、ド定番。なんだか俗っぽいぜ。Wild Worldもあったなぁ。僕ら世代(30歳男子)だと、Mr.BIGの曲だね。

(またしてもミーゴレン)
 21時30分になったら、派手なダサいHISのシャツを着た現地の人が迎えに来てくれて、空港へ。赤信号で物乞いが寄って来て、ちょっとびっくり。轢かれるよ。
 空港での手続きは全く把握していなかったが、なんとなく並んで、なんとなくお金を払って無事に出国。
 機内では全然眠れず、映画「ヤッターマン」を観ていた。コントローラーのAボタンが、押すと戻ってこなくなる仕様になっており、ゲームは断念。
 行きの飛行機に比べると、帰りの飛行機のCAって楽なんじゃなかろうか。朝食を一度出すだけだし。
 成田から直行でキャベツを迎えに行って、とりあえず初の海外旅行は終了ナリ!!