2日目 on the beach

 泊まっているホテルは、ソフィテル・スミニャックというそこそこ評判のホテルで、プールと、プールから繋がっているビーチがある(もう少しお金を積めば、プライベートプール付きのヴィラに泊まることもできるらしいが、今回はそこまで予算が出ず)。
 今日は朝からバリバリとビーチサイドへ繰り出した。10時くらいの段階で、プールサイドのベッド(デッキ?)はすべて埋まっており、さっそくのベッド難民。空いてるところは、場所取りの印であるタオルとか、裏返しになったビーサンとかが置いてある。一体、みんな何時から場所取りに来ているのだろう。飯食ってちょっと支度したら、普通に10時になるけどな。
 ビーチのほうのベッドを探すと、木の下に2つの空きを見つけたので、走ってゲット。木がパラソルの役目を果たしており、良い具合の影を作っていた。こりゃええ席げっとやわ〜、と思っていたが、木の下であるせいか蚊や蜂が多く、神経質な人には難しい場所だった。我々も最初は気になったが、5分くらいですぐに乗り越えることに成功。
 元々、バリ島を旅行場所に選んだのは、特に理由があってのことではなかった。海やプールを期待してバリ島を選んだわけではなく、なんとなくアジアっぽいところに行きたいな、くらいの理由。
 だけどよくよく考えてみると、バリ島ってマリンスポーツとかする場所だよね、ってことを、ベッドに横になって海を見ていた時に気づいた。だからやっぱり眺めが良くって、ロケーション的にすごく落ち着く。ビーチサイドで飲むカクテルは甘く、タバコも美味い。
 次の日も、その次の日も、午前中はここで過ごした。次回もしこのホテルに泊まったら、ずっとここで過ごしたい、くらい気に入った。

 文庫本を読み、マイルスを聴き、ビールやカクテルを飲みながらタバコを吸う。こんな幸せで怠惰な時間は、しばらくないだろうな。

 適当な商店で1000円も出して買った、この旅大活躍のD&Gのグラサン。本物だよ!
 この日くらいから気づき始めたけど、バリって別にショッピングとか観光とかを楽しむようなところでは無い。ゆっくりと、考え事をする場所だった。
 昼は近所の食堂で食べ、夜は唯一のイベントである、ジェゴック鑑賞。ジェゴックとは、バリの田舎の伝統音楽。
 HISのパッケージに無料で付いていて、プラザバリという観光者向けのショッピングセンターの中で見るという、なかなかの俗っぽいイベントだったけど、なかなかのおもしろさ。
 竹でできたマリンバのような楽器を、ポリリズムを駆使して叩きまくる音楽で、ビールを飲みながら観るのにぴったり。普通に踊れる感じだった。
 もちろん観光地に付きもののワークショップもあって、じっさいに楽器を叩かせてくれる。バチが木でできていてすっごい重かったな。そして最後にはみんなで列になって踊った。団長が怪しい日本語を駆使していて、微笑ましい俗っぽさ満開。 
 イマドキでも踊れるリズムの伝統音楽って、日本にもあるのかな。