SMASH11@新宿FACE 観戦記(後半)

 休憩中、いつもの通りにトイレに行って、タバコを吸ってちょうどよい時間。喫煙所のガラス窓から、朱里と渚(タッグチーム名)がサイン会を行っている姿が見えたんだけど、小さな子どもが朱里に似顔絵を渡していて、微笑ましかった。だけど、そんな小さな時分から新宿FACEなんて魔窟みたいなところに通ってたら、不良になっちゃうゾ。


■第4試合 小路晃 vs 鈴木みのる

 JCBで発表されて、かなり盛り上がった(自分的に)カードがこれ。盲点を突かれたような形で、小路の相手って鈴木がベストじゃん、と素直に思った。だから、期待値はかなり高くなるし、どんな展開になるのか考えていた。
 1,秒殺
 2.鈴木が一方的に攻める
 3.鈴木が高圧的に胸を突き出すような展開がずっと続き、結果的に小路がずっと攻めることになり、鈴木と客が飽きだしたころ(およそ5分)に鈴木が瞬殺
 この3つあたりを考えていたんだけど、どれも外れた。
 鈴木がギャラ分の仕事をこなした感じの、一応どっちもが攻めて、どっちもが受ける展開。もちろん、鈴木はずっと余裕の顔だったけどね。
 これまた、ストーリーがわかりにくい結果となった。試合後のコメントを見ると、鈴木やTAJIRIが、小路は全然ダメ的なことを言っていたけど、観客には伝わりづらかった。それをやりたいんだったら、もっとダメな感じを表現しないと意味ない。
 なんつーか、小路本人(本人のプライド/小路の格闘技の先生としての顔)や、小路のお客さん(小路を応援しに来ていた人=チケットを売った人)に気を遣ったような試合だったと思う。試合は善戦している風で、試合後のコメントでダメ出しするのって、日本の悪しき伝統かもなー。


■第5試合 大原はじめ vs マイケル・コバック

 本日のベストバウト。
 スターバックファンとしては、大原を応援するしかないシチュエーション。っていうか、コバックが登場したときに、観客のブーイングのなさにびっくりした。だって、試合後のスターバックを騙し討ちして帰って行ったヤツだぜ? なんでも受け入れるのが通なのかもしれないけど、それって「通病」にかかってるよ。
 ともあれ、未知なる強豪を発掘するセンスに関しては、日本マット界随一であるSMASH。コバックも当たり。
 スターバックはわりとオールドスクールライクなプロレスだったけど、コバックは技が現代的。それでいてちゃんと自分のものになっているから、普通にかっこよかった。
 大原もとても良かったと思う。後半、もう負ける感じになってきた時の「チクショー」と叫びながらのエルボーとか、大原の良いところが出ていた。客席的には、微妙な失笑とかも漏れていたけど、気にせずこの方向でOKだと思う。JCBのときの「ジェシカー!」シャウトといい、あの系統の演出をちゃんと成立させられるのは、SMASHにはいまのところ大原しかいないもんね。
 っつーか、大原の負けていく感じは、なんかいい。UWFインターで山ちゃんが負けていくときのカタルシスに近いかもしれない。
 一応、最後はコバックが足でフォールして勝利。やっとブーイング出た。
 戦前は、
 1.大原の丸め込み勝ち→コバックが試合後に大原をボコボコにする
 2.大原が十中八九攻めているんだけど、コバックが急所打ちみたいなセコい攻撃しておいてロープに足かけフォール→素早く去る
 という予想だったけど、普通に大原の完敗。そして次回の大阪大会で、TAJIRI vs コバックですって。スターバックじゃねーの?
 ここでまたTAJIRIが勝っても全然おもしろくないから(あと、未来もないから)、TAJIRIが負けーの、スターバックス負けーの、満を持してのクッシー登場、とか? どうなるにせよ、SMASHのエースであるクッシーに絡んできてもらいたい。あと、コバックにはセコくて嫌われ者の仲間を連れてきてほしいな。


■第6試合 TAJIRIvsジプシー・ジョー

 普段、プロレスを観に行っても写真なんて1枚も撮らないし、そもそもデジカメすら持っていかないのだが、この日だけは持っていったし、撮った。だって、77歳が試合するんだぜ。

 躍動する77歳!
 ジプシー・ジョーは77歳という年齢を十分に感じさせる、細い腕と細い足だった。でも、馬場さんもあんな感じで全然プロレスできてたんだから、腕や足の太さはあんまり関係ないんだよね、多分。
 プロレスの奥深さを感じる試合で、100点のデキだったと思う。ただ、これはボーナストラックみたいなものだから、次回以降に繋がる線はか細い。いつか繋がってきたら、SMASHすげーよ。


 全体的に、次の展開があんまりなかったように思う。ベルトをめぐる、コバックは良いとして、それ以外の人はどうするんだろう?
 大原は、ジェシカの敵討ちストーリーがまだ残っていて、朱里も米山とのベルトを巡るストーリーや、華名とのあれこれもある。
 クッシー、リン、メンタロのレギュラーメンバーのこれからを期待して、次回大阪大会は、現地組のtwitterでも追いかけるしかないか……。SMASH(に限らずたいていのプロレス)って、サムライで見るのと、ライブが全然違うからなー(もちろん、後者の方が全然良い)。ライブ以外だと、何が起こってもノリづらかったりはする。
 とりあえず、ハプニングEVEも行くのだ。


 あとまぁ、これは余談というか、新たな気づきだったんだけど、選手にチケットを発注すると、ある程度固まりになるみたいで、その選手のファンのゾーンみたいになる。
 例えば、リン・バイロン発注だと、多分北側。これは、リンが北側をバーッと走って登場するからだと思う。
 で、今回は朱里発注だったんだけど、そうなると、方向うんぬんではなく、朱里ファンが集まるゾーンになり、これはまぁ、たまたまなのかもしれないけど、今回は結果的に男性ゾーンだった。見やすいか見にくいかっつったら、いろいろ見にくい。
 ライブ観戦は、視覚聴覚嗅覚の環境を考えねばならないということを知った。勉強になるなぁ……。


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