歴史が繰り返すことについて

 リバイバル、という言葉が当たり前のように使われる。これは、主に流行に関することで(ファッションだったり、思想だったり)、以前に流行ったものや事象が、何年か何十年か経って、また繰り返されることである。
 まだたかだか29年しか生きていないから、いまいちピンと来ていなかった。29年くらいでは、スパンが短すぎてリバイバルしないのかな、くらいにしか思っていなかった。でも、さっき歩いていたら、ふと気づいたのだが、リバイバルって、要は縮小再生産のことなのか。
 大まかに考えると、「Aという流行が起こる→流行りすぎて廃れる→みんなそのことを忘れる→Aを知らない人(世代)が増える→Aが新鮮と感じられ流行る」ってこと。
 でもAを知らない人が増えたところで、Aを知っている人が絶滅しているわけではないから、必然的に「あー、それって昔流行ったAのリバイバルね」みたいな冷や水が浴びせかけられ、最初にAが流行ったころよりも早く廃れてしまう。次にAが流行ることは、さらに早く廃れてしまう。この繰り返しで、Aはごく一部の人が愛好するものとなる。これがつまり定着か。
 こんな誰でもわかっていることを、今さら気づいてしまうとは……。もっと頭を使って生きようと反省。
 今この現代で何か大きなムーブメントを起こそうとするならば(それが幻想だとしても)、自分が生きていた間の経験だけで考えていてはいけない。歴史を知り、歴史が繰り返すことを知り、どれを繰り返させるのか、もしくは、可能性が少ないことを知りつつ、本当に新しいものを探すのか。音楽業界がダメになったのはなぜなのだろう。